重合禁止剤の種類と作用

スチレンやアクリレート、メタクリレートなどの重合しやすいビニルモノマーには必ずと言っていいほど重合禁止剤が添加されています。

これらのモノマーは重合しやすく、かつ、重合によって発熱します。

保管中に予期せぬ重合反応が進んでしまうと爆発や火災などの危険があり、重合反応を勝手に起こさないようにするための化合物、すわなち重合禁止剤が添加されているわけです。

では実際にはどのような化合物を添加することで重合を止める効果があるのでしょうか?

この記事では重合禁止剤の種類とその作用機構について解説します。

代表的な重合禁止剤

重合禁止剤の代表的な例としては以下のような化合物があります。

  • ヒドロキノン
  • ベンゾキノン
  • TEMPO
  • DPPH

重合禁止剤の作用

重合禁止剤はラジカルと反応して安定な化合物を生成することで重合を停止させる効果があります。

概ね以下の二つの反応でラジカルと反応して重合を停止させます。

①ラジカル同士のカップリング

②水素引き抜きによる連鎖移動

安定ラジカル系の重合禁止剤は①の反応で重合を停止させます。

TEMPOやDPPHは代表的な安定ラジカルですが、ラジカルと反応して結合を生成します。

これにより重合が停止されます。

もう一つは水素引き抜きによる連鎖移動反応で停止するパターンですが、ヒドロキノンなどの禁止剤はこの機構が起こります。

ヒドロキノンの水素を引き抜き、ラジカルが発生します。このラジカルもまた、禁止作用があるので、カップリングによる停止反応を起こします。

さらに生成したヒドロキノン誘導誘導体もさらに禁止剤として働きますので、効果的に重合を禁止してくれます。

ただし、モノマー種(すなわち発生するラジカル種)によって効果的な禁止剤が異なる点には注意が必要です。

また、酸素共存下では禁止効果が高いけれども無酸素下では禁止効果が小さくなる禁止剤もあり、条件によって禁止剤を使い分ける必要もあります。

なお、酸素も不対電子を有する分子なので禁止剤としての効果がありますが、酸素から発生したペルオキシラジカルからわずかに重合反応が進む点には注意が必要です。

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