高分子は化学的に合成されたものだけでなく、天然にも広く存在しています。
天然から得られる高分子は天然高分子と呼ばれています。
また、化学的に合成される高分子は合成高分子と呼ばれています。
それぞれの高分子の代表例について紹介したいと思います。
天然高分子
天然から得られる高分子は以下のようなものがあります。
- デンプン
- セルロース
- 天然ゴム
セルロースと言われてもピンときませんが、綿の主成分です。
セルロースはβ-グルコースが多数つながった高分子で、天然に非常に多く存在している高分子です。
デンプンはα-グルコースが多数つながった高分子で、トウモロコシや小麦、米、イモ類などに多く含まれています。
合成高分子
非常に多くの合成高分子が身の周りにあります。
- ポリエチレン
- ポリプロピレン
- ナイロン
- ポリ塩化ビニル(塩ビ樹脂)
- ポリエステル
- アクリル樹脂
電化製品や車など日常のあらゆるところに合成高分子(樹脂)が使われており、知らないところでポリマーの恩恵にあずかっていることもしばしばです。
半合成高分子もある
天然から得られる高分子を化学的に処理したものを半合成高分子と呼びます。
セルロースに含まれる水酸基をアセチル化したものはアセチルセルロースと呼ばれており、半合成高分子の代表例です。
セルロール中の水酸基をすべてアセチル化したトリアセチルセルロースはアセテート繊維の原料です。
それぞれの高分子のメリット
天然高分子は天然由来の材料であり、環境負荷が小さい(カーボンニュートラル)というメリットがあります。
一方で合成高分子は高分子の構造を変えることで、性能を(狙って)変えることができるというメリットがあります。
昔は衣類などの繊維は綿や絹といった天然高分子を利用していましたが、近年では合成高分子を繊維にしたもの(合成繊維)が非常に多くなっています。
例えば、ユニクロのエアリズムはさらっとした着心地が特徴のインナーですが、その主成分は合成高分子の代表例であるポリエステル(の繊維)です。
一方、ユニクロのクルーネックT(普通のTシャツ)は綿100%となっています。
素材によって着心地が大きく違うので、商品によって使い分けているわけです。
天然高分子、合成高分子にはそれぞれメリットがあり、世の中にある商品はそのメリットをうまく使い分けて利用されている、というわけです。
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