ラジカル重合において複数のモノマーを同時に重合させると複数のモノマー単位が組み込まれたポリマーが得られます。
ポリマー中の組成やモノマーの配列は使用するモノマーによって大きく変化します。
ここでは代表的なラジカル共重合の例について紹介いたします。
スチレンと無水マレイン酸の共重合
スチレンと無水マレイン酸を共重合するとモノマー単位が(おおよそ)交互に並んだポリマーが得られます。
このようなポリマーは交互共重合体と呼ばれています。
スチレンから発生した末端のラジカルは無水マレイン酸と反応しやすく、無水マレイン酸から発生したラジカルはスチレンと反応しやすいために、交互にモノマー単位が並んだポリマーが得られるわけです。
スチレンと無水マレイン酸の共重合体は無水マイレイン酸部分が反応性を有しており、変性も可能なため、工業的にも製造されているポリマーです。
メタクリル酸メチルとスチレンの共重合
メタクリル酸メチル(MMA)とスチレンを共重合すると、ほぼランダムにモノマー単位が組み込まれたポリマーが得られます。
このようなポリマーはランダム共重合体と呼ばれます。
メタクリル酸メチルやスチレンから発生したラジカルが、どちらのモノマーとも同じ程度の確率で反応するために、ランダムにモノマー単位がポリマーに組み込まれます。
メタクリル酸メチル-スチレンの共重合体はMS樹脂と呼ばれており、透明で成形しやすい樹脂です。
スチレンと酢酸ビニルは共重合が起こりづらい
スチレンと酢酸ビニルを共重合するために、これらのモノマーを1:1で混合してラジカル重合を行っても、途中まではスチレンがほとんど入ったポリマーしか得られません。
スチレンが重合で消費されてくると酢酸ビニルの重合が始まり、酢酸ビニルがほとんどのポリマーが得られます。
スチレンと酢酸ビニルの重合では、スチレンから発生したラジカルは酢酸ビニルとほとんど反応せず、酢酸ビニルから発生したラジカルはスチレンに反応しやすいです。
このため、重合初期はスチレンが多く消費されていき、スチレンのモノマー単位を非常に多く含んだポリマーが得られます。
そしてスチレンがほとんど消費されてくると、酢酸ビニルが重合し始めて酢酸ビニルのモノマー単位を非常に多く含んだポリマーが得られるわけです。
このように、単独重合するモノマーを単に混合して重合しただけでは共重合がうまく進行しないモノマーの組み合わせも存在しています。
共重合の指標となるモノマー反応性比
上述の共重合系について、共重合がランダムなのか交互なのか、それとも単独重合体ができやすいのかはモノマー反応性比で決まってきます。
モノマー反応性比は共重合において非常に重要な指標です。
これについては次の記事で解説しています。
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