ラジカル重合の開始反応

ラジカル重合の開始反応は開始剤からラジカルが発生し、モノマーに付加する反応です。

ラジカル重合の開始剤は熱や光、レドックス反応によってラジカルを発生させるものを用います。

AIBNやBPOといった熱重合開始剤が多く利用されていますので、この記事では熱重合開始剤を例に開始反応について解説します。

なお、開始剤の種類や性質を詳しく知りたい方は以下の記事をご参照ください。

開始剤からのラジカルの発生

開始剤からのラジカル発生について、ここではAIBNを例に紹介します。

AIBNは2,2′-アゾビスイソブチロニトリルという化合物でラジカル重合開始剤として広く使われている化合物です。

熱によってアゾ基からラジカル的に開裂してN2と2つのラジカルが発生します。

反応を一般化して書くと、

[I]→2[I・]

となります。(AIBNの場合は1分子から二つのラジカルが発生するので)

モノマーへの付加

開始剤から発生したラジカルがモノマーへと付加することで重合が開始します。

開始剤から発生したラジカルとモノマーの反応性によってどの程度(の速度で)付加するか決まります。

付加反応が非常に遅い場合は、開始剤から発生したラジカル同士の反応などによってラジカルが失活します。

開始反応の反応速度論

開始反応の反応速度はやや複雑です。

AIBNを例に考えると、AIBNから発生したラジカルはモノマーへの付加反応以外にラジカル同士の反応による失活や、溶媒への連鎖移動反応も起こる可能性があります。

また、発生したラジカルによって、開始剤の誘発分解が起こりうる系(例えば過酸化ベンゾイルを開始剤に用いた場合)はさらに複雑になります。

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