重合においては系の粘度が影響する場合があります。
その中でも重要な効果が「ゲル効果」です。
ラジカル重合において重合率の上昇とともに系の粘度が増加します。
粘度の上昇によりポリマー末端の成長ラジカルの拡散速度が低下します。
これにより重合初期よりもラジカル同士の衝突による停止反応が起きにくくなり、結果として成長反応が進行しやすくなって重合速度が上昇します。
このような効果のことをゲル効果と言います。
バルク重合では重合の進行とともに粘度上昇が顕著となるため、ゲル効果が観測されやすくなります。
ただし、重合率がさらに高くなるとモノマーの拡散も遅くなるため、成長反応の速度も低下し、重合速度も低下してきます。
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