身の回りの製品にも多く使われている高分子。
高分子は一般にモノマー(単量体)と呼ばれる低分子量の化合物を重合させることで合成します。
このページでは重合反応の概要について解説します。
反応の様式で分ける
大きく分けると2つに分類できます。
なお、重合反応の種類はもっと細かく分けることもできますが、非常に多くに解説が必要になるので、詳細は個々の重合反応のページを作成して解説していきます。
連鎖重合
活性種が連鎖的にモノマーと反応して、分子鎖が成長する重合反応。
ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合、配位重合、開環重合は連鎖重合に分類されます。
エチレン、プロピレン、スチレン、酢酸ビニルなどのビニルモノマーの重合は基本的に連鎖重合になります。
逐次重合
モノマーでの反応点同士が結合する反応により、分子鎖が成長する重合反応。
重縮合、重付加、付加縮合は逐次重合に分類されます。
連鎖縮合重合
連鎖重合と逐次重合の両方の性質をもった「連鎖縮合重合」という重合も存在します。
逐次重合において片末端で反応したモノマーの方が反応性が高い場合には、反応したモノマーの反対側の末端側で次の反応が起こりやすいためです。
複数のモノマーを用いる「共重合」
モノマーを複数用いる場合は共重合と言います。
複数のモノマーを重合する共重合に対して、一つの(単独の)モノマーで重合していることを強調したい場合は単独重合という表現をする場合があります。
共重合は重合反応を表すというよりも重合体の区別に用いられることが多いです。
例えば、モノマーとしてスチレンとブタジエンを使って、ラジカル重合による共重合を行えば、スチレンとブタジエンの共重合体が得られます。
共重合は配列によって得られる高分子も変わってきます。
- ランダム共重合(体)
- 交互共重合(体)
- ブロック共重合(体)
上記の三つが代表的な共重合(体)で、高分子中のモノマーの配列がランダムか交互かブロック化で分類しています。
重合の停止反応が起きない「リビング重合」
活性種が失活しにくい重合、つまり重合が停止する反応が起こりにくい重合反応では、成長末端の反応性が残っているため、重合が終了した後にモノマーを追加すると重合反応が再度進行します。
このような重合はリビング重合と呼ばれ、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合、配位重合ではこのようなリビング重合となる系が知られています。
リビング重合のメリットは分子量や分子量分布の制御が容易な点です。
まとめ
上で紹介した重合反応は代表的なものです。
反応の様式で分ければ、連鎖重合と付加重合の二つに大別できます。
この二つの反応から反応機構別にさらに詳しく分けていくことも可能です。
コメント